台湾の金って、高純度で安く買えるってホント?
でも、日本に持ち帰って売るときにトラブルにならないか不安…
台湾旅行の魅力の一つとして語られる「金の購入」。しかし、その一方で上記のような期待と不安が入り混じっている方も多いのではないでしょうか。台湾の金は、日本とは異なる独自の文化とルールの上で取引されています。
ご安心ください。その「よくわからない」部分を、この記事で全て解消します。この記事では、台湾独自の金の純度「千足金」や重量単位「両」の意味から、日本での買取査定の実態、そして最も重要な税関で没収されないための注意点まで、台湾の金にまつわる疑問とリスクを完全に解説します。
台湾中央造幣廠や日本税関の公式情報、実際の買取事例や旅行者の体験談に基づき、実践的な知識を提供しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 台湾独自の金の純度「千足金」と重量単位「両」の意味
- 日本のK24と台湾の金は、何がどう違うのか
- 「保證單(保証書)」がなぜ重要なのか、その見方
- 台湾の金製品を日本で売却する際の具体的なリスクと注意点
- 税関で没収されないための、日本への持ち込みルールと免税範囲


台湾の金は純度が違う?「千足金(9999)」と「両」の意味を徹底解説


ここでは、台湾や中華圏で金製品を扱う上で最も基本となる、独自の純度表記「千足金」と重量単位「両」について解説します。日本の常識とは異なるこれらの単位を理解することが、すべてのスタートラインです。
現地の文化や商習慣を理解することが、トラブルを避け、賢く金製品を扱う第一歩です。一見難しそうですが、一度覚えれば簡単ですよ。
千足金(せんそくきん)とは?日本のK24(純金)との違い
台湾の宝飾店でよく見かける「千足金」や「9999」という刻印。これは、金の純度が99.99%であることを示す、非常に高純度な金の呼称です。
【用語解説】千分率(Millesimal Fineness)
合金全体の質量を1000とした場合に、どれだけの純金が含まれているかを示す単位。「9999」は、999.9/1000、つまり99.99%が純金であることを意味します。
日本の「K24(24金)」が、実務上99.9%(999)以上の純金全般を指すのに対し、台湾の「千足金」は、その中でも限りなく100%に近い、最高純度の金として扱われているのが特徴です (出典: Kingjy)。
【初心者向け】「両(Tael/テール)」とは?グラム換算を知っておこう


次に、重量の単位です。台湾では、グラム(g)ではなく「両(Tael/テール)」という伝統的な単位が今も広く使われています。
これは必ず覚えておきましょう。例えば、「重さ0.5両」と書かれたブレスレットは、37.5g × 0.5 = 18.75g ということになります。この単位は、日本統治時代の度量衡の名残とも言われ、台湾の金取引文化に深く根付いています (出典: taiwanleaftea)。
台湾・中華圏と日本の金純度・単位の比較表
ここまでの内容を、日本の基準と比較して表にまとめました。
| 項目 | 台湾・中華圏(主流) | 日本市場(主流) |
|---|---|---|
| 主な純度表記 | 千足金(9999), 足金(999) | K24 (999/999.9), K18 (750) |
| 「純金」の基準 | 千足金 = 99.99% | K24 = 99.9%以上 |
| 重量単位 | 両(1両 = 37.5g) | グラム(g), キログラム(kg) |
| (出典: 中央造幣廠, goldpricez) |
その金、信頼できる?「保證單(保証書)」と発行体の重要性


台湾で金製品を購入する際、その価値と信頼性を担保するのが「保證單(保証書)」の存在です。単なるレシートとは全く異なる、この重要な書類について解説します。
特に高価な金製品を購入する場合、この「保證單」があるかないかで、将来的な資産価値が大きく変わる可能性があります。
保證單(保証書)とは?純度・重量を証明する大切な書類
保證單とは、その金製品の「身分証明書」のようなものです。
一般的に、以下の内容が記載されています。
- 販売店の情報(店名、住所、連絡先)
- 製品の情報(品名、デザイン番号など)
- 純度(「千足金」「9999」など)
- 重量(「〇両〇錢」など)
- 購入年月日
- シリアル番号(記載がある場合)
この保証書があることで、その製品が「いつ、どこで、どのくらいの純度・重量で販売されたか」が証明され、現地での再売却や質入れの際に、信頼の証として機能します (出典: chingying-jewelry)。
台湾中央造幣廠発行の金バー「Bank of Taiwan Gold Holobar」に見る信頼の基準
台湾で最も信頼性が高い金製品の一つが、台湾中央造幣廠が発行する「Bank of Taiwan Gold Holobar」です。
これは、台湾政府がその品質を保証する公式な金地金であり、以下のような厳格な仕様となっています。
- 純度: 99.99% Pure Gold
- 重量: 1 Taiwan Tael (37.5g)
- 偽造防止: ホログラムデザイン
- 証明: バー本体と保証書(Certificate of Authenticity)に同一のシリアル番号が刻印
このような公的機関が発行する金製品は、個人の宝飾店が販売するものとは一線を画し、国際的にも高い信頼性を持つ投資対象と見なされます (出典: 中央造幣廠)。
偽造保證單は存在する?見分け方と注意点
「偽造された保證單の具体的な見分け方」について、台湾政府や業界団体の公式サイトを調査しましたが、一般消費者向けの明確なチェックリストは公表されていませんでした。
れは、偽造の手口を公にすると、かえってそれを悪用されるリスクがあるためと考えられます。
したがって、私たち消費者ができる最善の対策は、偽物を見抜こうとすることよりも、「本物を買う」ことに集中することです。具体的には、以下の点が重要になります。
- 信頼できる店舗で購入する: 長年の営業実績がある老舗や、百貨店内の店舗を選ぶ。
- 公的発行体を選ぶ: 可能であれば、台湾銀行などで中央造幣廠発行の金バーを選ぶ。
- 保証書と現物を確認: シリアル番号が一致しているか、印刷が不鮮明でないかなど、受け取る際にしっかりと確認する。
【失敗談から学ぶ】台湾の金を日本で売却する際の買取査定リスク


「台湾で買った高純度の金なら、日本で高く売れるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、そこにはいくつかの「落とし穴」が存在します。
ここでは、実際の体験談を交えながら、日本国内での買取査定の実態とリスクについて解説します。
台湾で購入した金を日本で売ると損する?査定が低くなる理由


【ケーススタディ】期待を胸に、台湾の金を日本で査定に出したEさんの話
Eさんは、台湾旅行中に「千足金」のバングル(約2両=75g)を購入。「円安だし、日本で売れば旅費くらい浮くかも」と期待して帰国後、都内の買取店に持ち込みました。
しかし、査定額は予想を大きく下回るものでした。理由は、
①台湾の有名ブランドでも日本では「ノーブランド」扱いになること、
②デザインが日本人の好みと違うため再販が難しく「スクラップ(地金)」としてしか評価できないこと、
③海外製品の分析手数料が差し引かれること、などが挙げられました。
結局、台湾での購入価格とほぼ同額か、手数料を考えると少しマイナスという結果に。「差益を狙うのは、想像以上に難しい」とEさんは語ります。
このように、台湾での販売価格には「工費(デザイン料)」や「ブランド料」が含まれていますが、日本の買取査定では、それらの価値が認められず、純粋な「金の重さ」だけで評価されることが多いのです。
日本の買取店が「海外製品」を査定する時の判断基準
日本の買取店は、持ち込まれた海外製品に対して、非常に慎重な査定を行います。
【査定のポイント】
- 刻印の確認: 「9999」や「千足金」といった刻印を確認します。
- 精密な純度分析: 信頼性を担保するため、多くの場合、XRF(蛍光X線)分析装置で正確な金含有率を測定します。
- 重量測定: 日本の基準である「グラム」で正確に重量を測ります。
保證單が付いていても、それが最終的な査定額を保証するわけではなく、あくまで「参考資料」の一つとして扱われるのが実情です。結局は、「その場で、機械で測定した純度と重量」が全てとなります (出典: Jewel Cafe)。
【体験談】「保証書があったおかげで…」査定で有利になるケース
一方で、保証書の存在がプラスに働くケースもあります。
【ケーススタディ】2つの異なる台湾製ジュエリーを売却したFさんの話
Fさんは、台湾で購入した2つのペンダントを査定に出しました。一つは無名の店で買った「保證單なし」のもの、もう一つは有名金行発行の「保證單あり」のものでした。
査定の結果、「保證單なし」のものは詳細な分析が必要となり、時間と分析手数料がかかりました。一方、「保證單あり」のものは、記載された純度や重量の信頼性が高いと判断され、比較的スムーズに、かつ手数料なしで査定が進んだそうです。「保証書があるだけで、お店の対応と信頼度が全然違った」とFさんは言います。
保証書が直接的な買取価格アップに繋がるわけではありませんが、査定の信頼性を高め、スムーズな取引を助ける「パスポート」のような役割を果たすと言えるでしょう。
旅行前に確認!金製品を日本へ持ち込む際の税関・法律リスク


台湾で金を購入すること自体に問題はありませんが、それを日本に持ち帰る際には、厳格な法律と税関のルールが存在します。これを知らないと、最悪の場合、大切な金製品を没収されるリスクさえあります。
これは「知らなかった」では済まされない、最も重要な注意点です。必ず確認してください。
数量・価額に関わらず申告が必須!金地金・金製品の持ち込みルール
日本の税関では、海外から金地金や金製品を持ち込む際、その価格や数量にかかわらず、税関申告書の該当欄に正直に記載することが義務付けられています。
【税関のルール】
- 免税範囲: 旅行者の個人的な使用に供される携帯品は、海外市価の合計額で20万円までが免税となります。
- 課税対象: 20万円を超える場合は、その超えた部分に対して日本の消費税(10%)が課税されます。
- 1kg超の場合: 純度90%以上の金地金の重量が1kgを超える場合は、さらに「支払手段等の携帯輸出入申告書」の提出も必要です。
(出典: 税関)
知らないと没収?日本税関が金製品の持ち込みを厳しく監視する背景


近年、日本税関は金製品の密輸に対する監視を大幅に強化しています。
その背景には、金の価格高騰と円安を悪用し、消費税10%分を脱税して利ざやを稼ごうとする「金密輸」が急増していることがあります。これは単なる脱税だけでなく、犯罪組織の資金源(マネーロンダリング)にも繋がるため、国家として厳しい姿勢で臨んでいるのです (出典: Japan Times)。
【台湾外交部が警告】無申告で没収された金ネックレスの事例
このルールの厳しさは、実際の事例からも明らかです。
2024年7月、台湾外交部は、日本へ渡航する自国民に対し、高価な金製品の持ち込みに注意するよう公式に警告を出しました。
これは、ある台湾人旅行者が、約131グラムの千足金のネックレスを申告せずに日本に持ち込もうとし、税関で発見され、ネックレスを没収された上、長時間にわたり拘束されるという事案が発生したためです。このネックレスの価値は、当時のレートで明らかに20万円の免税範囲を超えていました (出典: Taiwan News)。
【結論】台湾の金製品は「出口戦略」まで見据えて購入しよう


ここまで見てきたように、台湾の金製品は魅力的な一方で、様々な知識と注意が必要です。最後に、これらを踏まえた上での結論を述べます。
大切なのは、購入時の価格や純度だけでなく、「将来どうするのか」という出口戦略まで考えて判断することです。
高純度と価格だけで判断しない!信頼性と換金性が重要
台湾の「千足金」は確かに高純度ですが、それが日本で同等の価値として評価されるとは限りません。
もし将来的に日本で売却する可能性が少しでもあるなら、現地のローカルな宝飾店の製品よりも、台湾中央造幣廠発行の金バーや、世界的に認知されているブランドの地金を選ぶ方が、換金性は格段に高まります。
資産として保有するなら、どこで買うべきか?
結論として、純粋な資産形成を目的とするならば、やはり自国(日本)の信頼できる貴金属店や証券会社を通じて、日本の税制や法律に則って購入するのが最も安全で合理的と言えるでしょう。
台湾での金の購入は、「その国の文化やデザインを楽しむためのお土産」と割り切り、免税範囲内で楽しむのが賢明です。もし20万円を超える製品を購入した場合は、必ず正直に税関で申告し、納税義務を果たしてください。
台湾の金に関するよくある質問(FAQ)
最後に、台湾の金に関してよくある質問をまとめました。
皆さんの最後の疑問を、ここで解消しておきましょう。
- Q1. 台湾の有名宝飾店(例:周大福)なら、日本でも高く売れますか?
-
A1: ブランドとしての知名度が日本国内では限定的なため、デザインに特別な付加価値がない限り、地金価値(スクラップ相場)に近い査定になる可能性が高いです。
- Q2. 台湾で金製品を買う際の免税手続きはありますか?
-
A2: 台湾を出国する際に、外国人旅行者向けの付加価値税(VAT)還付制度を利用できる場合があります。ただし、これは台湾国内の税金に関するものであり、日本に持ち込む際の日本の税関ルールとは別問題です。
- Q3. 台湾で買った金製品を日本に送ることはできますか?
-
A3: 国際郵便やクーリエで送ることは可能ですが、同様に日本の税関を通過する際に輸入申告と納税の義務が発生します。手続きはさらに複雑になる可能性があります。
- Q4. 純金積立のように、台湾でも少額から金に投資できますか?
-
A4: 台湾の銀行や貴金属店でも、金積立に似たサービスを提供している場合があります。ただし、口座開設には現地の居住者であることが条件となる場合がほとんどです。
- Q5. 保證單を紛失してしまいました。日本で売却できますか?
-
A5: 売却は可能ですが、製品の信頼性を証明するものが何もなくなるため、買取店はより慎重な査定(XRF分析など)を行う必要があり、査定額が低くなったり、買取自体を断られたりするリスクが高まります。
- Q6. 台湾で購入した金を日本に持ち込まず、台湾で売却するメリット・デメリットは?
-
A6: メリットは、同じ「両」単位と「保證單」が通用する市場で売買できるため、スムーズな取引が期待できる点です。デメリットは、売却で得た台湾ドルを日本円に両替する際に、為替手数料が発生する点です。
まとめ:台湾の金、賢く手に入れて、賢く守ろう


この記事では、台湾の金製品について、その独自の文化から日本での売却リスク、法律上の注意点までを網羅的に解説しました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。最後に、この記事の要点を復習して、明日から使える知識として定着させましょう。
「台湾の金製品」に関する重要ポイント総復習
- 単位と純度の理解
- 台湾独自の「千足金(9999)」や重量単位「両(1両=37.5g)」を正確に理解する。
- 日本のK24と高純度ではあるが、商慣習が異なることを認識する。
- 信頼性の確保
- 「保證單(保証書)」は純度や重量を証明する重要書類。公的機関発行の製品は信頼性が高い。
- 日本での換金リスク
- 日本での買取査定は、ブランド価値より地金価値が重視され、保證單がない場合は不利になることも。
- 税関申告の義務
- 金製品は価格や重量に関わらず日本税関への申告が必須。無申告は没収・罰則のリスクがある。
- 「出口戦略」を見据えた購入
- 購入時には、日本での換金性や税関ルールまで考慮し、信頼できる発行体の製品を選ぶことが重要。


筆者より:この記事をまとめながら感じたこと
この記事をまとめる中で、異文化での金取引がいかに複雑で、知らず知らずのうちにリスクを抱えてしまう可能性があるかを改めて痛感しました。特に、日本への持ち込みルールや買取店の査定基準は、旅行者にとって盲点になりがちです。
台湾の金製品は確かに魅力的ですが、その背景にある「見えないルール」まで理解することで、本当の意味で賢い選択ができると信じています。この情報が、皆さんの貴重な資産を守る一助となれば幸いです。


コメント